第九&未完成 ウクライナ国立歌劇場管弦楽団

第九&未完成 ウクライナ国立歌劇場管弦楽団

本公演は2017年12月28日から12月30日まで開催しました。

音楽の力に圧倒される「第九」
明日への希望と湧き出る力、そして感動の渦に包まれる

 ベートーヴェンの「第九」ほど音楽の力を感じられる交響曲があるだろうか。ドイツの詩人で思想家であったシラーの作品をこよなく愛読していたベートーヴェン。このシラーの詩『歓喜に寄す』に音楽をつけようと思い立ってから完成までに約30年。交響曲の第4楽章に独唱と合唱、すなわち人間の声を入れるというのは当時では他に類を見ない手法であったが、それがベートーヴェンの最高傑作、また古典派音楽の集大成とも言える大作となった。作曲家でありながら聴力を失ったベートーヴェン。運命を受け入れた苦悩の天才によって創られた暗闇と混沌からの輝く希望、そして崇高な“人類愛”。第4楽章でバスによって歌われる最初の歌詞はシラーではなくベートーヴェンによって書かれている。<おお友よ、このような音ではない!もっと心地よい、もっと喜びに満ちあふれた歌を歌おうではないか> そしてシラーの詩の独唱を始め、やがて合唱団、ソリスト達へと引き継がれる。荘厳でドラマティックに歌い上げられる圧巻の“歓喜の歌”。晴れやかな感動で一年を締めくくることができるだろう。
 そしてシューベルトの交響曲第7番「未完成」。通常交響曲は4楽章で構成されるが、この作品は2楽章までしかないため「未完成」と呼ばれている。シューベルトの音楽の極意はメロディーの豊かさと転調の妙にある。後に“歌曲の王”と呼ばれる彼の交響曲らしく、美しく息の長いメロディーとその一つのメロディーの中で何度も転調しては戻る不安に揺らぐハーモニーが絶妙だ。ベートーヴェンとシューベルトは共にウィーンで同時代に活躍した。ベートーヴェンは当時から偉大な作曲家であったがシューベルトは友人達に支えられて活動する貧しい作曲家。シューベルトは学生の頃からベートーヴェンの音楽を敬愛し続け、ベートーヴェンの死の翌年、後を追うように亡くなった。「未完成」と「第九」は2人の晩年の最高傑作であり、「未完成」の方が約1年ほど早く作曲された。美しいメロディーから成るロマン派音楽の幕開けを感じさせる「未完成」、古典派音楽の終わりを壮大なスケールで告げる「第九」。まさに一年の終わりにふさわしい曲だ。名門歌劇場のオーケストラが奏でる重厚かつ躍動感ある演奏と堂々たるソリスト、合唱団の熱い演奏をお楽しみに。

出演予定

  • ミコラ・ジャジューラ

    ミコラ・ジャジューラ(指揮)

    チャイコフスキー記念キエフ国立高等音楽院で研鑚をつみ、コフマン教授に師事。1986年から88年にロシアのオムスク交響楽団の首席指揮者をつとめる。1989年ウクライナ国立歌劇場の指揮者に就任、以降プッチーニ、ヴェルディ作品をはじめ、主要オペラを指揮。1996年より、ウクライナ国立歌劇場の指揮者と同時に、ウクライナ国立フィルハーモニーの首席指揮者および芸術監督の地位にある。熟練した技術と偉大な才能、組織のリーダーとしての素質を兼ね備えた指揮者としてウクライナの音楽界を牽引している。

  • 辻  志朗

    清水 敬一(合唱指揮)

    早稲田大学理工学部電気工学科卒業。指揮法を遠藤雅古、V. Feldbrill, 合唱指揮を関屋 晋の各氏に師事。現在およそ20の合唱団の指揮を任される。国内外の音楽祭・作曲コンクール・合唱コンクールの審査員を歴任。著書に『合唱指導テクニック』(NHK出版)。現在、全日本合唱連盟およびJCDA日本合唱指揮者協会理事、東京芸術大学および同大学附属音楽高等学校講師。



  • オクサナ・クラマレヴァ

    オクサナ・クラマレヴァ
    (ソプラノ)

  • アンジェリーナ・シヴァチカ

    アンジェリーナ・
    シヴァチカ
    (メゾ・ソプラノ)

  • ヴァレンティン・ディトゥク

    ヴァレンティン・
    ディトゥク
    (テノール)

  • セルゲイ・マゲラ

    セルゲイ・マゲラ
    (バス)

  • ウクライナ国立歌劇場管弦楽団

    ウクライナ国立歌劇場管弦楽団

    ウクライナ国立歌劇場管弦楽団は1834年誕生以来の歴史と伝統を誇り、世界各地で演奏を行っている。1880年代に劇場はチャイコフスキーを招いて、オペラ『スペードの女王』『エフゲニー・オネーギン』などを上演し、成功をおさめる。1891年にはチャイコフスキー自身の指揮で彼の作品を上演し、劇場に対して、キーロフ劇場やボリショイ劇場に続く劇場として褒め称えた。そのほか、リムスキー=コルサコフ、ラフマニノフ、グリエール、グラズノフ、ショスタコーヴィチなど錚々たる作曲家がこのオーケストラを指揮している。近年はチャイコフスキー、ムソルグスキー、ヴェルディ、プッチーニなどのオペラ、チャイコフスキーのバレエをはじめ、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーなどの交響曲も演奏。オイストラフ、ギレリスなどの巨匠とも共演している。ドイツ、フランス、ポーランド、スイスなどヨーロッパ各地でも公演を行い、好評を博している。

  • 晋友会合唱団

    関屋 晋を常任指揮者としたアマチュア合唱団の集合体として活動を開始。現在コーラスマスターは清水敬一が務め、オーケストラとの共演を主たる活動としている。1980年小澤征爾指揮・新日本フィル/マーラーの交響曲第8番《千人の交響曲》共演に際し、晋友会合唱団としてデビュー。その後もベルリン・フィル、ウィーン・フィル、都響などと共演。レパートリーは古典派・ロマン派から現代作品まで幅広く、国内外から注目を浴びている。

公演日程

[ご注意とお願い]

  • ●会場内における飲食、喫煙はご遠慮ください。
    ●写真撮影、録画、録音等は禁止させて頂きます。
    ●未就学児童のご入場はお断りいたします。
    ●開演後のご入場は制限させて頂く場合がございます。
    ●都合により出演者、曲目が変更する場合もございます。ご了承ください。
12/28(木)
14:00開演
(13:30開場)
会場 横浜みなとみらいホール 大ホール 発売日8/25
席種 S席 11,000円
A席 9,000円
B席 7,000円
情報 約2時間休憩あり
12/29(金)
14:00開演
(13:30開場)
会場 東京オペラシティ コンサートホール 発売日8/25
席種 S席 11,000円
A席 9,000円
B席 7,000円
情報 約2時間休憩あり
12/30(土)
14:00開演
(13:30開場)
会場 東京オペラシティ コンサートホール 発売日8/25
席種 S席 11,000円
A席 9,000円
B席 7,000円
情報 約2時間休憩あり
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