12月開催のウクライナ国立歌劇場管弦楽団による「第九&運命」で、合唱として出演する晋友会合唱団。その団員たちをまとめあげているのは、合唱指揮者の清水敬一さんです。合唱指揮者とは、事前に合唱団の音楽稽古を行って指揮をする重要な存在であり、清水さんはどんな合唱団からもベストな響きを生み出す“コーラスのマジシャン”とも呼ばれている名指導者です。公演が近づき、練習にも熱が入る中、清水さんに「第九」の聴きどころや魅力、ウクライナ国立歌劇場管弦楽団について伺いました。
(※2023年12月インタビュー記事)
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Q. ウクライナ国立歌劇場管弦楽団とは何度も共演していますが、指揮者であるジャジューラさんも、晋友会合唱団の皆さんの士気が高く、良い雰囲気を感じ、いつも共演を楽しみにされています。ウクライナ国立歌劇場管弦楽団の印象はいかがでしょうか。
ウクライナ国立歌劇場管弦楽団は、まず個々がそれぞれに優れていて、その上で合わせているように感じます。ジャジューラさんの指揮は、音楽性がはっきりしているので、わかりやすいですね。
ウクライナの現状もありますが、我々も、実際にウクライナの人たちのことをどこまで理解できているのかはわかりません。ですが、皆それぞれに、可能な限りウクライナの人のことを考えて、気持ちを込めて歌いたいと考えていることでしょう。
Q.「第九」の聴きどころや魅力について教えてください。
「第九」は第1楽章から第3楽章にもベートーヴェンの強いメッセージがあり、大変充実した曲です。しかし、第4楽章で初めて人間の声が発声されたとき、それまでの音楽を超えて感動します。
歌には大抵の場合、歌詞があります。「第九」は、シラーの詩ですね。「地球上のすべてが兄弟になる」「神の愛で」という部分は非常に素晴らしく、こういう時代だからこそ共感を呼ぶと思います。
Q.「第九」の合唱で難しいところはどんなところでしょうか。
通常より高い音から低い音まで出すことと、息を長い時間持たせないとならないので、技術が必要です。バスもより低い音域、ソプラノもより高い音域を歌います。一方で、“歓喜のテーマ”に使われている二重フーガでは、バスでも高音、ソプラノでも低音と自由自在に入りくんでいます。難しい部分ですが、だからこそ素晴らしいのだと思います。
Q.晋友会合唱団の特徴はどんなところでしょうか。
アットホームで明るい雰囲気です。合わせたときにも、すぐにひとつになれるところがいいと思います。20代から40代以上もいて、年齢も違いますし、経験年数の差もあるので、まとめていくのが難しいところもありますが、むしろ色合いが個々に違うから面白いと感じます。一体感はもちろん、個性も引っ張り出したいと思って指導しています。
本番では、リハーサルと違う音楽が展開されることもありますが、きっと僕よりも、歌っている団員たちの方がそれを繊細に感じとって、柔軟に対応していると思います。僕は「がんばれ!」「ここをこうしたいと指揮で示しているのだから、それついていけ!」と本番は見守りながら、いつも聴いています。
合唱指揮:清水敬一
早稲田大学理工学部電気工学科卒業。指揮法を遠藤雅古、V.Feldbrill、合唱指揮を関屋晋の各氏に師事。国内外の音楽祭・作曲コンクール・合唱コンクールの審査員を歴任。著書に『合唱指導テクニック』、『合唱指揮者という生き方-私が見た「折々の美景」』。現在、全日本合唱連盟およびJCDA日本合唱指揮者協会理事、東京芸術大学附属音楽高等学校講師。
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