7~8月開催「バレエの妖精とプリンセス」「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」に日本人ダンサーが参加!スロバキア国立バレエのソリスト三浦のぞみさんのスペシャル・インタビュー

7~8月開催の「バレエの妖精とプリンセス」「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」に参加する日本人ダンサー、スロバキア国立バレエのソリスト三浦のぞみさんにお話を伺いました。

三浦さんのバレエ人生について教えてください

母親が趣味でバレエを習っていて、母のレッスンに連れていかれるうちに、私も気が付いたらバレエを始めていました(笑)最初は週1回のレッスンでしたが、徐々にレッスンの回数を増やし、小学校高学年からはコンクールに出場するなど、バレエに打ち込んできました。

そうして中高の学生時代も過ごし、短期大学に進学したのですが、卒業する頃、ふと「バレリーナになりたい」という夢が湧いてきたのです。私は短期大学の保育科に通い、保育士の免許を取得しました。周りの友達は皆保育士になっていくのですが、私は「長い人生の中で今、保育士にならなくてもいい。」「ダンサーは今しかできない。」と考えバレエダンサーになる道を探し始めました。

通っていたバレエ教室の先生であり、ボリショイ・バレエで活躍されていた岩田守弘先生に相談したところ、モスクワ国立バレエ・アカデミー(通称ボリショイ・バレエ・アカデミー)を勧めてくれました。そして私は20歳でバレエ留学することになります。

モスクワ国立バレエ・アカデミーからプロダンサーへ

モスクワ国立バレエ・アカデミーで過ごした1年間はとても有意義な時間でした。朝から晩までバレエのことばかり。日本での暮らしとはかけ離れていました。そんな日々の中で、海外のバレエ団で働きたいと思うようになり、知り合いのダンサーに就職活動の方法を教えてもらい、オーディションを受けていきました。

最初に入団したのはルーマニア国立コンスタンツァ・バレエ。クラシック・バレエのレパートリーが多いところに魅力を感じました。5年間所属しますが、同じ振付家の作品ばかりだったこともあり、新たな刺激を求め、2018年にクロアチア国立スプリット・バレエに移籍します。クロアチアではクラシックの他にコンテンポラリー作品もあって、充実していましたが、更なる成長を求め、2022年にスロバキア国立バレエに入団します。

スロバキア国立バレエ

スロバキア国立バレエは、前述の2つのバレエ団と比べて規模が大きく、雇用形態が安定しています。2021年より、ウィーン国立バレエでマニュエル・ルグリとも度々踊っていたニーナ・ポラコワが芸術監督を務めているのですが、彼女が就任してから西側の作品がレパートリーに多く取り入れられました。スタイルの良いダンサーもたくさん所属しています。

劇場内には2つのホールがあって、オペラとバレエ、演劇が上演されています。その中でバレエ公演は月に5~10回程度で、12-1月の「くるみ割り人形」は20回ほど上演されます。現在は来シーズンに向けてヌレエフ版「白鳥の湖」オデット/オディールのリハーサルを行っていて、まだ決まっていませんが、主役を踊る機会があることを願っています。

(左)(右)スロバキア国立バレエ「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」

鑑賞体験について

私はバレエ好きの母に連れられて、よくバレエ公演も観に行っていました。私がコンクールでキトリのヴァリエーションを踊ることになった際、母がニーナ・アナニアシヴィリ主演の「ドン・キホーテ」のDVDを買ってくれたのですが、私はニーナの踊りを、特にヴァリエーションのところは擦り切れるほど見て、自分の踊りに活かしていきました。そうして憧れのダンサーとなったニーナの踊りを、来日公演で実際に観た時はとても感動したのを覚えています。何度も映像で観ていた憧れのダンサーが目の前で踊っているという興奮と、ニーナのエネルギーや迫力に圧倒され、劇場でバレエを観る醍醐味を味わいました。

私は自分の踊りを磨くためには、様々なダンサーの踊りを観ることも大事だと思います。ですから、バレエを習う皆さんには、基礎がきっちりと身に付いたプロダンサーの踊りを生で観る機会があれば、ぜひ積極的にいかれることをおすすめします。

正確で美しいアンディオール(バレエにおいて脚を外側に回転させる身体の使い方)や優雅な上半身の動きなどを間近で見ることで、「ここまで開くんだ!」「こうやって身体を使うんだ」とイメージを持つことができ、先生からの注意もより理解しやすくなるのではないでしょうか。そして、日々のトレーニングの積み重ねから生まれる洗練された踊りは、皆さんにモチベーションや新たな気づきを与えてくれると思います。

この夏日本で8年ぶりに舞台に立つ機会をいただき、大変嬉しく思います。日本で踊ることにプレッシャーも感じますが、皆さんに喜んでいただけるようなパフォーマンスになるよう、現在リハーサルに励んでいます。日本の皆様と会場でお会いできるのを楽しみにしています。


【公演情報】


2024年12月に、ジョージア国立バレエ「くるみ割り人形」の公演が開催されます。公演情報は、下記をご覧ください。

伝説のプリマ、ニーナ・アナニアシヴィリが
20年の時をかけ育んだバレエ団。
充実期を迎えた今、ついに12年ぶりの再来日!

■ ジョージア国立バレエ 「くるみ割り人形」
【公演期間】2024年12月5日~12月27日
【開催地】東京、千葉、埼玉、神奈川、群馬、栃木、静岡、長野、宮城、山形、秋田、福島、新潟

その他の公演情報

■ ウクライナ国立バレエ「ジゼル」ほか
25年1月開催予定
公演情報を公開中!
https://www.koransha.com/ballet/ukraine_ballet/