初めての大人バレエ入門編12の質問。大人になってから習うバレエの第一歩!憧れのバレエ、今からでもバレエを習うために知りたいこと

大人になってもバレエを始めたい!~大人のバレエ入門編~

憧れのバレエは、大人初心者でも大丈夫。バレエを習う前の疑問を解決します!どんな場所でレッスンするの?費用はどのくらいかかるの?服装は?12の質問の答えで不安も解消。気になる発表会についてもご紹介します。


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バレエを踊ってみたい!大人からでも楽しめる?

大人になってバレエを習ってみたいなと思いながら、なかなか一歩踏み出せない方も多いかもしれません。まったく初めての方の疑問にお答えしたいと思います。

Ⅰ.バレエを習う前に ~バレエ教室とはどんなところ? どんな人たちが習っていますか?

1.バレエ教室とはどんなところでしょう?

Q1:バレエは全く初めてです。習ってみたいのですが、レッスンとはどのようなものですか?

 バレエを習うというと、舞台で観るような演目を真似して練習すると思う方もいらっしゃるかもしれません。実は、そうではありません。ホッとされる方も、ちょっと残念と思われる方もいるでしょう。はじめは、舞台で観るような踊りではなく、身体を整えていく基礎レッスン(クラスレッスン)をします。

 基礎レッスンとは、プロのバレエダンサーも演目の練習の前に必ずするものです(難易度や複雑さは初心者とプロは違いますが、基本的な流れはほぼ同じです)。レッスンをして身体を作らなければ、いくら真似をしようとしてもバレエは踊れません。

 レッスンの具体的な流れを簡単に説明しましょう。まったく初めての方のクラスの場合は、レッスン前のストレッチを先生の説明を受けながら一緒にする場合が多いです(プロはレッスン前に自分でストレッチをして準備します)。そして、バーレッスン。まず、バー(横木)に手を添えて、小さな動きから大きな動きへと身体を整えていきます。上達すると、後半はバーを片付けてセンターレッスン、舞台での踊りに近い動きをしていきます。

 バレエのレッスンは、基本的にグループで行われることがほとんどです。クラスレッスンは、通常バーレッスンとセンターレッスン、合わせて90分程度ですが、初心者クラスの場合は、体力のことを考えて60分程度で無理なく行うという場合が多いです。

Q2:どのような人たちが習っていますか?

 大人初心者のためのクラスは、本当にさまざまな方がいます。会社勤めの方、主婦の方、学生さんや、60~70歳代の方もいます。

 動機もさまざまで「子どものころに習いたかったけれど、習わせてもらえなかった」、「運動不足解消のため」、「ダイエットを兼ねて」等々。子どもや孫が習い始めたから一緒に、という方もいらっしゃいます。

 未経験者も、子どもの頃に習っていたという経験者の方もいます。「同じ頃始めたのにあの人は上手だな、あんな風には出来ないから私は向いていない」などと悩まれませんように。数十年前にやっていたという経験者は、はじめは不慣れでもすぐ上達する場合もあります。「初心者クラス」でも、大人のクラスで10年以上続けているという方もいます。

 あまり周りと比べないことがポイントです。そして、コツコツと続けていれば、少しずつでも必ず上達していきます。

Q3:身体が硬いけれど、大丈夫ですか?

 大丈夫です。だからこそ、柔らかくするためにレッスンしましょう!

 何もしなければ、人間の身体はどんどん硬くなっていきます。週に一度でもストレッチすれば、少しずつ変わります。お家でのストレッチも合わせて週に3回ほどストレッチの時間をつくると、半年ほどでだいぶ身体は変わります。バレエの基本レッスンは、身体の隅々まで無理なくストレッチするための、とてもよくできたメソッド=方法です。優雅な音楽に包まれながら、身体を柔らかくしていきましょう! 

 女性の場合は、バレエのレッスンに加えて、毎日、お風呂上がりなど身体があたたまっている時にストレッチすれば、ほとんどの方が半年後には可動域が広かったことを体感できるでしょう。前後開脚が出来るようになる方もいることでしょう。男性は筋肉が硬い場合、もう少し時間が掛かることもありますが、確実に柔らかくなっていくはずです。

Q4:男性の初心者でも大丈夫ですか?

 もちろん大丈夫です。先ほど書いたように、身体の硬さに悩んでも、続けていれば少しずつ変わっていくはずです。女性が多い教室がほとんどなので、とけこむのが大変かもしれませんが、クラスレッスンは、先生の言葉を聞きながら自分の身体と向き合うものなので、マナーを大切にしながら、レッスンに集中すると良いでしょう。発表会などに男性が参加されると喜ばれる教室も多いと思います。

 ただ、教室によっては着替えの場所が限られていて男性を受け入れられないなど、諸事情で女性のみとしている教室もありますので、まず問い合わせてみましょう。基礎レッスンは基本的に男女同じことをしますが、上達すると、男性のみが行うパ(動き)にも挑戦するようになっていきます。

Ⅱ.バレエを始めたい ~バレエ教室の選び方は? レッスン料は?レッスンの時の服装は? トウシューズで踊れるの?

2.バレエ教室の選び方、レッスンにかかる費用

Q5:バレエ教室や先生の探し方は?

 インターネット等で教室の情報が発信されている場合が多いので、自宅や勤務先の近くなど、通いやすい教室を探してみましょう。そのなかで、大人になって始めた人の指導に力を入れているところが良いですね。「大人初心者のためのクラスがあるか?」をチェックしてみましょう。大人の生徒さんが多い教室では、まったく初めての方のためのクラスだけでなく、長く続けて上達してきた人のクラスなど、大人クラスのなかでもレベル分けをして、いろいろと用意しているところもあります。

 また、カルチャーセンターやフィットネスクラブのなかに入っているレッスンもあります。気軽に始められるという利点があります。先生のほとんどは所属している教室やバレエ団がありますから、もっと熱心にやりたいと思ったら、その先生の教室に行くという方法もあります。

Q6:レッスン料はどのくらいかかりますか?

 教室によって違うので、問い合わせをしてみましょう。

 例としてあげると、お月謝で7、000~12、000円程度/週1回の月額。週2~3回になると金額は上がりますが1回に対する料金は割安になっていきます。大人の場合、曜日や時間を固定しないで都合の良い時に受けられるチケット料金を取り入れているところも多く、10回分で25、000~35、000円程度が目安です。チケットは3ヶ月などの期限が定められているので、その期間内にレッスンを受けるようにしましょう。

 そのほかに入会金(10、000~20、000円程度)が必要な教室も多いです。季節によっては、冷暖房費が別に必要な場合もあります。

 多くの教室で、初回お試しのような形で1、000~2、000円、または無料で体験できます。雰囲気に馴染めるか確認する意味でも、初めて訪れる場合に利用すると良いでしょう。

3.レッスンの服装について

Q7:最初に用意するもの、服装や靴は?費用はどのくらい?

 教室によって違うので、最初に問い合わせる時に確認をしましょう。はじめはレッスンを受けずに見学させてもらうとスムーズです。見学すると、他の方の服装も分かりますので、それを参考に準備すると良いでしょう。

 大人のための教室は、比較的自由なところが多く、動きやすい服装ならOKというところも多いので、はじめはTシャツとスパッツ、くつ下でも大丈夫かもしれません。ただ、できればバレエシューズにした方がレッスンがしやいでしょう。バレエシューズは、子供のころ体育館で履いたバレエシューズや、町歩き用のバレエシューズとは違います。全体が布か皮で作られた柔らかいものです。布製のものなら2、000~3、000円くらいです。

 レオタードとタイツ、バレエシューズを用意するのが理想です。高価なものを選ばなければ、その3つを合わせて1万円前後で手に入ります。タオルやドリンクなども忘れないようにしましょう。

Q8:レオタードを着なくてはならないの?

 教室によって違います。Tシャツなどで大丈夫な教室もありますので、確認してみましょう。

 はじめはTシャツなどでレッスンしていても、続けるうちに、だんだん自分の身体のラインを鏡でチェックしたくなってくると思います。身体のラインが見える方が、先生もアドバイスがしやすく、学ぶ側も理解しやすいので、レオタードはとても便利です。恥ずかしいようでしたら、はじめはレオタードの上にTシャツを着て、勇気が出たらTシャツを脱ぐのも良いと思います。

 最近は、レオタードでなくても、とても動きやすくて身体のラインが分かる衣類がたくさん出てきました。バレリーナがモデルを務めることもあるユニクロのキャミソール型のブラトップなどは、プロのダンサーたちもレオタード代わりに愛用しています。

 また実用性だけでなく、レオタードやタイツ、薄手の巻きスカートなどのレッスン着は、バレエの魅力を満喫することにも繋がります。クラシック音楽に身を任せて動き、巻きスカートがフワッと動く、そんな楽しさも味わってみてはいかがでしょうか?改めて「バレエって素敵だな!」と思うことでしょう。

Q9:初心者だけど、トウシューズで踊れるの?

 残念ながら、すぐにトウシューズは履けません。はじめは先の柔らかいバレエシューズで練習します。

バレエのレッスンを重ねることで必要な筋肉がついて、トウシューズでつま先立ちできると先生が判断したら、はじめてトウシューズを履くことができます。すぐにトウシューズでつま先立ちしようとしたら、捻挫をしたり身体を痛めてしまいます。

 子供の場合は成長も考えて、3歳で始めてもトウシューズを履くのは小学校に入ってからです。大人の場合は、熱心にレッスンすれば3年も経たずに先生の許可が出ることもありますが、まずレッスンで身体をつくることが大切です。

 プロのダンサーも、特殊な場合を除いて毎日の基礎レッスンは、バレエシューズでのエクササイズからです。また、男性がトウシューズを履くことはありません(女装のバレエ団や特殊な演目は例外です)。舞台でもバレエシューズで踊ります。

Q10:レオタードはどこで買えますか?

 最初は、教室で聞いてみましょう。取り寄せてもらえる場合もあります。

 主なバレエ用品専門ショップは、チャコット、シルビア、ミルバほか、バレエ用品を輸入しているお店などもいろいろとあります。お近くにあればお店に行ってみると、試着ができたりアドバイスを受けられたりします。

 また、インターネット通販もあります。上記のような専門店のほか、インターネットだけのバレエショップもあり、リーズナブルに買えるお店もあります。もちろんレオタードだけでなく、タイツやバレエシューズも購入できます。

Ⅲ.バレエの発表会について ~発表会とはどのようなものですか? スケジュールの一例~

Q11:発表会とは?

 教室によって発表会を行っている事も多く、いろいろな開催の仕方をしています。発表会があるかないか、どんな形式で行っているか、参加費用など、気になる場合は、問い合わせる時に教室や先生に聞いてみましょう。発表会に参加するかどうかは、自分で決められます。

 普段レッスンしているスタジオで、授業参観のようにお披露目をする教室もあります。教室によっては、市民会館のホールや劇場などを借りて、舞台装置や照明・音響も専門の方々にお願いしてプロの公演さながらに行う場合もあります。本格的に舞台を整えて発表会を行うのは、日本独特の傾向のようです。

 スタジオでお披露目をするという小規模なものであれば、普段のレッスンと違うのは、衣装の準備とご案内状などになります。大きな劇場を借りてスタッフも揃えてという場合は、それなりの費用も掛かりますが、習い始めたばかりの時は、大きな役を踊ることもないので、教室にもよりますが、費用もそれほど心配しなくても良いでしょう。気になる場合は遠慮なく、先生や事務の方などに聞いてみましょう。

 ちなみに、お子さんが習っているお母様から「発表会はお金が掛かって大変」という話題が出るのは、衣裳を作ったり、上達して男性のプロダンサーにパートナーになってもらって踊るような場合もあるからです。習い始める時には、それほど心配する必要はないと思います。

Q12:本格的な発表会がある場合、どんなものですか?

 劇場を借りて行う場合の発表会とはどんなものか、イメージしやすいように発表会までのスケジュールの例をあげてみましょう。

【発表会までのスケジュールの一例】
・4~6か月前:日時・場所などの発表、出演者の募集
 子供のクラスの場合は、全員参加で発表会と決めている教室もありますが、大人の場合は仕事の都合などもあるので、参加するかどうか自分で決めることができる教室がほとんどです。

・3~5か月前:踊る物を決める、振付の練習
 何を踊るか先生と相談して決めたり、全員でひとつの演目を行う場合は配役などが決まり、振付の練習が始まります。
 基本的には、通常のバーレッスン、センターレッスンの後に、発表会用の練習を行います。ほとんどの方が発表会に出演する場合は、バー&センターレッスンを短めにすることもあります。いつも通っているレッスン日以外に、発表会のための練習日が用意されることもあります。

・1か月前~1週間前:衣装合わせやリハーサルなど
 本番通りに踊る「リハーサル」が行われます。衣装を借りる場合、自分の身体に合うように手直しすることもあります。

 これまでの練習の成果が発揮されます。発表会を楽しみましょう!

文:菘あつこ(舞踊ジャーナリスト)
企画構成・編集:光藍社編集部

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ヨーロッパの名門バレエ団で活躍中のダンサーが出演し、夢の競演を果たします!

■「親子で楽しむ夏休みバレエまつり ヨーロッパ名門バレエ団のソリストたち」
【公演期間】2024年8月3日~8月4日
【開催地】東京

■「バレエの妖精とプリンセス ヨーロッパ名門バレエ団のソリストたち」
【公演期間】2024年7月26日~8月12日
【開催地】神奈川、群馬、愛知、大阪、宮城、秋田 ほか

その他の公演情報

■ ウクライナ国立バレエ「ジゼル」ほか
25年1月開催予定 ※詳細は24年8月発表予定

■ ジョージア国立バレエ「くるみ割り人形」
【公演期間】2024年12月開催予定
※詳細は2024年7月発表予定