いまだ戦時下にあるウクライナで公演活動を続けているウクライナ国立バレエを支援するため、光藍社では新たに「トウシューズ基金」を立ち上げました。

ウクライナへの侵攻が始まった2022年に、弊社では被害に苦しむアーティストの芸術活動の再開支援を目的にした「ウクライナ国立歌劇場への義援金」を募りました。日本全国の複数企業・団体を含む、多くの方からお寄せいただいた義援金は、総額「17,029,388円」となりまして、この義援金はウクライナ国立歌劇場の意向で、プロダクションの新制作、その他劇場の活動費へと使用されました。

戦争開始からまもなく丸2年になりますが、戦争の長期化によって劇場の運営にも様々な支障が生じています。そこで、ウクライナ国立バレエが今後も継続的に活動を続け、更なる成長を遂げることができるように、この度ウクライナ国立バレエのダンサーたちの活動を応援するプロジェクトを新たに立ち上げることになりました。
支援内容については、現地にいる寺田宜弘芸術監督より、バレエ公演活動継続に必要最低限なものとしてバレエダンサーに支給しているトウシューズやバレエシューズの支援をお願いしたいとの要望があったことから、必需品の安定的な供給を目的といたしました。

今後もウクライナ国立バレエが活動を続け、ウクライナから芸術の灯が消えることのないように、温かいご支援をよろしくお願いいたします。


親愛なる日本の皆様

このような困難な時期にウクライナの文化を支援していただきまして、大変感謝しております。2023年5月、日本の皆様のご支援により世界的振付家J.ノイマイヤーとH.V.マーネンの作品を劇場のレパートリーに取り入れることが実現できました。さらに、「ジゼル」の新制作も決定し、12月の日本公演での初演に向けて準備を進めております。皆様には改めて御礼を申し上げます。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まってもうすぐ2年が経とうとしています。今でもキーウの街はサイレンが鳴り響き、ウクライナ東部では多くの人々がこの戦争で命を落としています。私たちは、戦争という恐ろしい現実の中で生活している一方で、ウクライナの文化を守り、発展させ続け、皆さまに喜びと感動を与えられるように活動を続けております。現地では、公演を観に来たお客様から、「美しい世界観に浸り、戦争を忘れることができた。」「感動するという体験ができた。生きていてよかった。」といったお声をいただき、どんな時代も、芸術が人々の心に寄り添って今日まで続いてきたことを日々体感しております。

しかし、戦争の長期化によって、芸術活動の継続にも影響が生じています。政府からの援助は著しく削減され、劇場は必要最低限の人数となり、ダンサーを含む劇場職員の給料は大幅に削減されました。また、防空壕に入れる人数(劇場収容人数の1/3)での公演開催も劇場の運営を困難にしています。
それに伴い、これまでダンサーに支給していたトウシューズやバレエシューズが、十分に支給できないという問題も発生しています。トウシューズは、ダンサーに必要不可欠なものです。ウクライナの芸術の灯を消さないために、様々な問題を解決していかなければいけませんが、本件は特に早急に対応しなくてはならない事態となっております。

1972年から続くウクライナ国立バレエと日本との交流は特別なものだと思っております。戦争という未曾有の事態のなか、芸術監督として懸命に励んでおりますが、日本の皆様からのご支援を賜りたく、心よりお願いを申し上げます。

ウクライナ国立バレエ芸術監督
寺田宜弘



光藍社チャリティープロジェクト「トウシューズ基金」途中報告

2023年12月1日から開始した光藍社チャリティープロジェクト「トウシューズ基金」に、5月20日時点で150名を超える方から2,513,832円の寄付金をお寄せいただいております。あたたかいご支援を賜りまして心より御礼申し上げます。
お預かりした寄付金は、ウクライナ国立バレエからの希望により、トウシューズ、バレエシューズに換えてダンサーたちへお届けします。

「トウシューズ基金」は、継続して受付をしております。
寄付の方法は、下記の「寄付方法」をご覧ください。

今後もウクライナ国立バレエが活動を続け、ウクライナから芸術の灯が消えることのないように、温かいご支援をよろしくお願いいたします。

(2024/5/24追記)


光藍社チャリティープロジェクト「トウシューズ基金」ご報告と贈呈式の様子

2023年12月1日から開始した光藍社チャリティープロジェクト「トウシューズ基金」には、米国斎藤財団からの寄付100万円と170名を超える、全国の皆様から合計2,754,906円の寄付金をお寄せいただきました。これを受けて、今回の来日公演中の2025年1月6日に東京文化会館リハーサル室にて、トウシューズ129足とバレエシューズ44足、合計173足の贈呈式を行いました。

贈呈を受けたウクライナ国立バレエを代表して芸術監督の寺田宜弘氏は
「いまだ厳しい状況は続いておりますが、皆様からのあたたかなご支援のおかげで、これからも私たちは芸術活動を続けることができます。本当にありがとうございました。」
と喜びを述べました。

なお、本チャリティープロジェクトは受付終了とさせていただきます。
あたたかいご支援を賜りまして心より御礼申し上げます。

photo:Hidemi Seto©KORANSHA

(2025/1/9 追記)


※現在は受付を終了しております(2025/1/7 追記)