チェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団

ブルノ・フィルが奏でる、魂を込めた音の響き!
中欧の名門オーケストラの圧倒的な音楽の造形美をお楽しみ下さい。

 スラヴ人の心は、スラヴ人に聞け―豊かな自然と素朴で優しい人たちに思いを馳せる「郷愁」、幾多の困難を乗り越えてきた「芯の強さ」、それでいて日々の暮らしの中に溢れる「生きる喜び」、そして甘く切ない「哀愁」――中欧、東欧、そしてロシアの大地へと連なる国土に暮らす人々だけがその真の意味を知っている。

  2007、2009年と立て続けの来日公演で、音楽を通じて「スラヴ人の心象」を鮮やかなまでに描き出したチェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団が2011年初秋、再び来日公演を行う。楽譜に込められた作曲家の思いを見事に奏で、私たちの心を揺さぶり、時に落涙させた、情熱の演奏が再び帰ってくる。

  今回のプログラムは、スメタナ、ドヴォルザーク、チャイコフスキーという、スラヴ人ならではの優しさ、憂い、喜びを描いたら右に出るものはいない、人気作曲家による名作が中心だ。スメタナからは、交響詩『わが祖国』より「ボヘミアの森と草原から」。美しい風景が眼前に広がるかのような雄大な曲だ。ドヴォルザークは、快活で躍動的な序曲「謝肉祭」、ノスタルジックな旋律と迫力のオーケストラを堪能できる交響曲第9番「新世界より」が演奏される。そしてチャイコフスキーの作品から、コンチェルトの傑作であるヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲第1番。さらに彼の「運命交響曲」とも呼ばれる情熱的な交響曲第5番と、心の奥底に深い感動を与える交響曲第6番「悲愴」を披露する。

  過去の来日公演で、「弦の国」チェコのオーケストラならではの、美しく、暖かみのある弦楽器群は期待通りだったが、加えて管楽器奏者たちの輝くばかりの腕前にも多くの賞賛が寄せられた。これらの名曲はさらに彼らの真骨頂を発揮することになるだろう。

  ソリストには、2005年のロン=ティボー国際音楽コンクールの覇者フレデリーケ・サイスと、フランツ・リスト国際コンクールで優勝したヴィタリー・ピサレンコという、今ヨーロッパで注目されている俊英ふたりを迎えた。指揮者は、ブルノ・フィル首席指揮者であるアレクサンダー・マルコヴィッチと、今年50歳ながらすでに大家の風格が漂うレオシュ・スワロフスキー。これらスラヴの精神を描かせたら出色の音楽家たちが、優れた音楽性を誇るブルノ・フィルハーモニー管弦楽団とともに私たちの心に強烈な思いを抱かせてくれるだろう。