公演終了
ベートーヴェンの「第九」ほど音楽の力を感じられる交響曲があるだろうか。この曲には人を惹きつける魅力がある。私たちの日常では出会う事のない感動を超えるものがそこにあるのだ。ドイツの詩人で思想家であったシラーの作品をこよなく愛読していたベートーヴェン。シラーの作品の根底には、自由を求める不屈の精神が流れている。ベートーヴェンがこのシラーの詩『歓喜に寄す』に音楽をつけようと思い立ってから完成までに約30年、交響曲の第4楽章に独唱と合唱、すなわち人間の声を入れるというのは当時では他に類を見ない手法であったが、それがベートーヴェンの最高傑作となった。作曲家でありながら聴力を失ったベートーヴェン。運命を受け入れた苦悩の天才によって創られた暗闇と混沌からの輝く希望、そして崇高な“人類愛”。第4楽章でバスによって歌われる最初の歌詞はシラーではなくベートーヴェンによって書かれている。“おお友よ、このような音ではない!もっと心地よい、もっと喜びに満ちあふれた歌を歌おうではないか”そしてシラーの詩の独唱を始め、やがて合唱団、ソリスト達へと引き継がれる。“すべての人々は兄弟となる”、“抱き合え、幾百万の人々よ”―。自由、平等、平和と友愛を求め、荘厳でドラマティックに歌い上げられる圧巻の“歓喜の歌”。私たちに湧き上がる力、明日への希望を与えてくれるだろう。
2022-23年のシーズンは創立155周年を迎えるウクライナ国立歌劇場。伝統を支える重厚な管弦楽団と合唱団、ソリストが揃う特別な「第九」。困難な状況にありながらも芸術家、表現者としての姿勢を貫く強い想いと共に来日する、彼ら渾身の演奏をどうぞお聴き逃しなく。
ベートーヴェン
「エグモント」序曲 作品84
ベートーヴェン
交響曲第9番ニ短調 作品125“合唱付き”
ミコラ・ジャジューラ(指揮)
ウクライナ国立チャイコフスキー記念キエフ音楽院で学び、R.コフマンに師事。1986年から88年までロシアのオムスク交響楽団の首席指揮者を務めた。1988年に初めてウクライナ国立歌劇場で指揮、2011年に同歌劇場の音楽監督、2013年には首席指揮者となった。同歌劇場のほか1996年よりキエフ国立フィルハーモニー交響楽団の音楽監督も務める。ウクライナのクラシック界を代表する指揮者となっている。ウクライナ人民芸術家。
管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
ウクライナ国立歌劇場管弦楽団は1834年に誕生した歴史と伝統を誇るオーケストラ。1880年代にはチャイコフスキーを劇場に招いて、オペラ「スペードの女王」「エフゲニー・オネーギン」などを上演し、成功をおさめた。1891年にはチャイコフスキー自身の指揮で彼の作品を上演し、キーロフ劇場やボリショイ劇場に続く劇場として称賛した。そのほか、リムスキー=コルサコフ、ラフマニノフ、グリエール、グラズノフ、ショスタコーヴィチなど錚々たる作曲家がこのオーケストラを指揮している。ヴェルディ、プッチーニ、チャイコフスキー、ムソルグスキーなどのオペラ作品、チャイコフスキーのバレエ作品をはじめ、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーなどの交響曲も演奏。オイストラフ、ギレリスなどの巨匠とも共演している。ドイツ、フランス、ポーランド、スイスなどヨーロッパ各地でも公演を行い好評を博している。
合唱:ウクライナ国立歌劇場合唱団
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チケットご購入後の変更・キャンセルはできませんので、予めご了承ください。
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開演後のご入場は制限させていただく場合がございます。
ご来場の際はマスクの着用が必須となります。館内では常時マスクの着用をお願いいたします。
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本公演は政府及び自治体の方針をふまえ細心の注意を払い開催いたします。最新の情報については、光藍社ホームページ(https://www.koransha.com/)にて発表しますので、チケットご購入の後は、随時ご確認いただきますようお願いいたします。
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