ミハイロフスキー劇場管弦楽団 オール・チャイコフスキー・プログラム

ミハイロフスキー劇場管弦楽団 オール・チャイコフスキー・プログラム 

本公演は2015年1月17日から2015年1月18日まで開催しました。

スラブ民族の精神が今、ここに。
名門オーケストラが「チャイコフスキーの魂」を描く!

 甘美なメロディーに酔わされ、物悲しい音のさざ波に心惑わされ、時に大きなうねりの中に漂わされてしまう??「素晴らしい音楽ですね」と多くの人がその音楽に賛辞を送るが、チャイコフスキー自身は人と会うのが苦手だった。
 「はやく相手から逃れて世界の果てに飛んで行きたい」「病的なまでの内気さのためか、人間社会で生きて行く必要性を欠いているためなのか。私にも分からない」と日記に書いている。表向きは社交的に振る舞っても、神経質なチャイコフスキーの心はざわついていたという。だから、自分の気持ちを素直に吐露できる作曲だけが唯一の救いだった。
 しかし、自らを叱咤激励するチャイコフスキーにとって、作曲は逃避の場所ではなかった。逆に、いかに表現すればよいかと格闘を強いられたのだ。特に、交響曲とオペラに関しては。
 当時のロシア社会で生きる人間のあり方に疑問を感じていた彼はそのことを表現するためにオペラ『エフゲニー・オネーギン』を書いた(プーシキン原作)。ペテルブルクの貴族の館での大舞踏会。華やかで賑わいのある「ポロネーズ」の踊りが貴族の虚無感を逆に際立たせている。
 一方、交響曲。チャイコフスキーは交響曲第6番『悲愴』に心血を注ぎ、この作品が遺作となった。「頭の中で作曲しながら幾度となく泣いた」「表題性はあるが、それは謎であるべきもので、想像できる人に想像させよう」。そして「私の一生で一番よい作品だ」と書き残した。悲嘆、苦悩、哀切、……。交響曲史上、特異な姿を持っているこの交響曲は是非ともコンサート会場で聴くべき作品だ。そして、チャイコフスキーと同じスラブ民族であるロシア人でしか持ち得ない共感をもった演奏で、ミハイロフスキー劇場管弦楽団がそれを叶えてくれる。間に挟まれたピアノ協奏曲第1番は誰もがチャイコフスキーの代表作と認める傑作だ。雄大にして叙情的。まさしくロシアの大地を思わせる「ピアノ協奏曲の王者」。2011年3月にミハイロフスキー劇場管弦楽団とこの曲で共演し賞賛されたフランソワ・デュモン(2010年ショパン国際ピアノコンクール第5位)が日本公演に帯同するのが話題だ。
 1833年の「帝室ミハイロフスキー劇場」創設から180年(革命以前は演劇中心)。劇場とともにスラブ文化の神髄を表現してきた名門オーケストラが最高のプログラムでもって「チャイコフスキーの真の姿」を示す。

予定プログラム

P.I.チャイコフスキー 歌劇「エフゲニー・オネーギン」より“ポロネーズ”
  ピアノ協奏曲 第1番(ピアノ)フランソワ・デュモン
  交響曲 第6番「悲愴」

出演予定

  • ヴァレンティン・ボグダーノフ

    Valentin Bogdanovヴァレンティン・ボグダーノフ(指揮)

     1972年生まれ。レニングラード国立アカデミー付属音楽学校を卒業後、ペトロザヴォーツク市国立音楽院で指揮及び合唱を学ぶ。1998年、モスクワ国立音楽院のオペラ・交響楽指揮科を卒業。在学中1997年に、マグニトゴルスク市バレエ・オペラ劇場に客演指揮者として招かれる。2000年より客演指揮者としてトムスク市国立フィルハーモニーで活躍。2000~2005年にカラガンダ市音楽劇場及びカラガンダフィルハーモニー交響楽団で首席指揮者に就任。続けて2005~2008年にアストラハン市国立音楽劇場の首席指揮者を務める。2008年よりサンクトペテルブルグ・オペラ室内音楽劇場の指揮者に招かれ演出も兼任。2009~2010年シーズンにミハイロフスキー劇場(レニングラード国立歌劇場)の客演指揮者を務める。

  • フランソワ・デュモン

    François Dumontフランソワ・デュモン(ピアノ)

     フランス、リヨン生まれ。14歳の時にパリ音楽院に入学しサンソン・フランソワやアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの弟子であるブルーノ・リグットに師事する。その後、マレイ・ペライア、レオン・フライシャー、ドミトリー・バシキーロフ、ウラジーミル・ミシュクなどの巨匠に師事。2010年のショパン国際ピアノコンクール5位入賞。マルタ・アルゲリッチやネルソン・フレイレ等、名声ある審査員から賞賛された。また、エリザベート王妃国際音楽コンクールにおいても入賞を果たし、ジャン・フランセ国際音楽コンクール、スタインウェイ国際コンクールにおいて第1位入賞、クララ・ハスキル国際ピアノコンクール(スイス)でのファイナリストであり、ヨーロッパ国際ピアノコンクール、浜松国際ピアノコンクール(日本)においても入賞を果たす。自身が録音したモーツァルトのソナタ全集は“Pianiste”誌から「芸術家賞」をうけた。ドイツ、イタリア、スイス、ポーランド、ブラジル、ルーマニア、メキシコでリサイタルを行っており、ベルギー国立交響楽団、ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団、モンテカルロ・フィルハーモニーとも共演を行っている。2011年にはマリインスキー管弦楽団とチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番でロシアでのデビューを飾っている。

  • Orchestra of the Mikhailovsky M Mussorgsky Operaミハイロフスキー劇場管弦楽団

     ロシア文化・芸術の中心地、サンクトペテルブルグ(旧レニングラード)。この地で愛され続けてきたミハイロフスキー劇場管弦楽団は180余年の歴史を有し、サモスード、コンドラシン、ザンデルリンク、テミルカーノフなどの偉大な指揮者のもとで活動を行ってきた。同劇場はプロコフィエフの「戦争と平和」、ショスタコーヴィチの「鼻」「ムツェンスク郡のマクベス夫人」などを初演した劇場としても知られ、偉大なるバス歌手シャリアピンも、この劇場で初演作品を多く残している。流麗な響きで定評を得ているチャイコフスキー作品や、ラフマニノフ、ムソグルスキーなどのロシア人作曲家の演奏を得意とするが、近年はさまざまなレパートリーを披露し、好評を博している。

公演日程/上演演目

[ご注意とお願い]

  • ●会場内における飲食、喫煙はご遠慮下さい。
  • ●写真撮影、録画、録音等は禁止させて頂きます。
  • ●未就学児童のご入場はお断りいたします。
  • ●開演後のご入場は制限させて頂く場合がございます。
  • ●都合により出演者、曲目が変更する場合もございます。ご了承下さい。
1/17(土)
14:00開演
(13:30開場)
会場 オリンパスホール八王子 発売日8/29
席種 S席 8,000円
A席 6,500円
B席 5,000円
情報 約2時間休憩ありメッセージカードを付ける事が可能です
1/18(日)
14:00開演 (13:30開場)
会場 東京オペラシティ コンサートホール 発売日8/29
席種 S席 8,000円
A席 6,500円
B席 5,000円
情報 約2時間休憩ありメッセージカードを付ける事が可能です