バレエ界でファルフ・ルジマトフほど「レジェンド」の称号がふさわしいダンサーはいないだろう。1980年代から国際的に活躍、端正なテクニック、激情、舞台の空気を変えてしまう存在感、カリスマ性で、唯一無二のダンサー、絶対的存在であり続けている。
守りには入らない。フラメンコや舞踏などバレエの外の世界にも飛び込み、その世界を拡げている。最近では織田信長を演じて新たな伝説を作り、現地での最新情報では『眠りの森の美女』のカラボスとして出演したとのこと。
かつて『海賊』のアリを演じたルジマトフは、他のダンサーとは全く違う圧倒的な存在感でイメージを作りあげ、『海賊』アリは彼の代名詞と言われ、彼のために復活上演されたような作品は伝説となった。そして、今、その知り尽くした作品を自ら演出して作り上げ、また別の役柄で出演する。
冗長なシーンをカットし、男性群舞など見せ場を新設。疾走感に溢れ、息つく間もなく進み、ワクワク感がとまらない。現代のテンポに合わせた演出は心憎いばかり。
歴史に名を刻むダンサーとしての素晴らしい功績と、更に躍進を続けるルジマトフの今の姿が見られる!
ファルフ・ルジマトフ<「海賊」「新春特別バレエ」出演 >
ルジマトフさん演出の「海賊」の見どころ、特徴を教えて下さい。
「海賊」は私自身も思い入れの深い作品です。
私が演出しているバージョンは、物語を凝縮して短く判りやすくしています。楽しくてエネルギッシュな作品に仕上がっていると思います。
コンラッドとアリは主従関係ではなく、友情で結ばれた友人であるという設定にしています。
再び「海賊」で皆様にお目にかかれることを嬉しく思っております。
来日公演では、サラファーノフ&レベデフのアリ、ペレン&ヴォロンツォーワのメドーラと共演しますが、彼らの印象を教えてください。
サラファーノフ:彼はとても優れたダンサーです。テクニックも素晴らしく今、ダンサーとしてとても良い時期にいると思います。
ペレン:彼女とはよく共演するので踊りなれています。良いバレリーナです。
レベデフ:ラインが綺麗。練習を積んで努力したら良くなるこれから期待できるダンサー。
ヴォロンツォーワ:これが初めての共演となります。なかなかいいダンサーだと思う。
新春特別バレエ「白鳥の湖」に出演しますが、日本の観客は2016年最初に観るバレエになります。
新年に日本で「舞台はじめ」をスタートする感慨がありましたら教えてください。
第二の故郷とも思っている日本で、新年の記念のイベントに出演できることは光栄。とても嬉しく思っています。この公演が、2016年の一番最初に立つ舞台になります。皆さんと共に、新しい年を迎えることが出来て幸せです。会場で一緒に過ごしていただけましたらと思います。
ルジマトフさんは長年に渡り何度も日本に来ていますが、日本で楽しみにしていることは何でしょうか?
また、日本の観客の良いところは何ですか?
日本はとても大好き。よく日本に関する本を読んでいる。歴史的なものにもとても興味がある。
日本の観客の皆さんは、芸術をよく理解して判っている。
皆さんに見飽きられることの無いように、常に最大の努力をしています。
日本の観客へメッセージをお願いします。
日本の観客は、いつも温かく私の心の支えでもあります。
新しい年を、私の出る舞台で迎えて下さい。
- 「海賊」
- 「海賊」
- 「白鳥の湖」
ファルフ・ルジマトフ出演日
海賊 | |
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1/7(木)19:00開演 | Bunkamuraオーチャードホール |
(ペレン&レベデフ(アリ)& ルジマトフ(コンラッド)) |
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1/8(金)19:00開演 | Bunkamuraオーチャードホール |
(ヴォロンツォーワ& サラファーノフ(アリ)& ルジマトフ(コンラッド)) |
新春特別バレエ 第2部「白鳥の湖」より | |
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1/2(土)14:00開演 | 東京国際フォーラム ホールA |
「海賊」
ルジマトフが演じるのは海賊の首領コンラッド。義に厚く、憂愁の色濃い、成熟した大人の男性だが、恋をすれば一直線、少年のまなざしさえ見せてくれる。
共演は、彼をこのうえなく尊敬するサラファーノフ、期待の新星として話題のレベデフ、バレエ団の華として人気のペレン、日本公演での初披露が注目のヴォロンツォーワなど華やかにダンサーが総出演!
- 第1幕
- ルジマトフ
- 第2幕
- サラファーノフ
- ペレン
- レベデフ
- ルジマトフ
「白鳥の湖」 - ペレン
「ローレンシア」 - ヴォロンツォーワ
「くるみ割り人形」 - ソボレワ
「白鳥の湖」 - ワシリーエフ
「ローレンシア」 - レベデフ
「くるみ割り人形」
新春特別バレエ
1/2(土)14:00開演 東京国際フォーラム ホールA |
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第1部 「くるみ割り人形」より第2幕 | :ヴォロンツォーワ&レベデフ |
第2部 「白鳥の湖」より第2幕 | :ソボレワ&ルジマトフ |
第3部 「ローレンシア」より | :ペレン&ワシリーエフ |
- 「くるみ割り人形」
- 「白鳥の湖」
- 「ローレンシア」
第1部:『くるみ割り人形』より第2幕
クリスマスを舞台にした一夜のファンタジー。
子供から大人まで観る人々の心に温かさを贈る、クリスマス・プレゼントのような作品。
第2幕は、次々と楽しいダンスが溢れて新春にも相応しい。注目の若手2人、レベデフとヴォロンツォーワが軽やかに踊る。
第2部:『白鳥の湖』より第2幕
王道中の王道の名作バレエ。
湖畔で出会った王子と悲しい運命のオデットが恋に落ちる名シーンを、群舞つきでじっくり味わえる。
王子を演じるのはバレエ界の"レジェンド"ルジマトフ、観る者を作品世界に引き込む吸引力の強さは別格。儚く美しいオデットに相応しいソボレワ主演。
- ルジマトフ
- ソボレワ
第3部:『ローレンシア』より
上演される機会の少ないレア作品。ソ連時代の名作を復刻。
スペインを舞台に、村人たちが領主の圧政に立ち向かい、自由を獲得する物語。心理描写に優れきわめてドラマティック。注目は、領主に立ち向かう青年を演じるイワン・ワシリーエフの超絶技巧!美しいペレンと共に、ダイナミックな踊りが見られる。
- ペレン
- ワシリーエフ